はじめに
この記事は、こんな人に役立つ内容となっています。
・ファンドの選び方が分からない
・金融機関の選び方が分からない
・ファンドや金融機関を見直したい
積立NISAを始めるのにまだ遅いということはありませんし、一度始めてしまったら取り返しがつかないということもありません。
この記事が積立(つみたて)NISAについてアクションを起こすきっかけになれば嬉しいです。
ぜひ最後まで読んでみてください。
また、積立(つみたて)NISAとはどういうものかを書いた別の記事もありますので、積立(つみたて)NISAについて概要が知りたい方はこちらも読んでみてください。
積立(つみたて)NISAのファンドの選び方
まずは、ファンドの選び方を見てみましょう。たくさんあるファンドの中からポイントをみて絞っていきます。
純資産総額を見る
ファンドには純資産総額という項目があります。これは、そのファンドが持っているお金の合計です。
この金額が多いということはきちんと運用利益を積み上げられているということと、多くの人にたくさん買われていることを表しています。
運用期間も関わってくるので、同じ金額でも運用期間が短い方が早く資産を積み上げていることになります。
ファンドは思うようにお金が集まらないと運用を中止してしまうことがあります。これを繰上償還といいます。
繰上償還されてしまうと、投資していた人はファンドの都合によってすぐに売却しなければいけなくなります。その時に損が出ていたら非常にもったいないですね。
純資産総額が多いと、それだけ繰上償還のリスクが低くなります。
購入時手数料を見る
次は購入時手数料についてです。
ファンドによっては、購入するたびに手数料が発生するものがあります。
積立(つみたて)NISA対象商品には購入時手数料無料のものが多いですが、一部ETFというタイプには購入時手数料が発生します。金融庁によって定められた要件では、最大で1.25%です。
コストは最小限に抑えた方が良いので、なるべく手数料の少ないものにしましょう。正直、無料であることが望ましいです。ファンドの数は多いので、無いものを優先にファンドを選ぶといくらか絞れます。
信託報酬を見る
積立(つみたて)NISAを含む投資信託というのは、お金を預けて自分の代わりに投資のプロに資産を運用してもらうものです。そこで発生するプロの投資機関に払う報酬が信託報酬です。その特性上、無料のものはほぼありません。
金融庁の定めた積立(つみたて)NISA対象商品の要件では最大1.5%と定められています。
その中でなるべく少ないものを選択するようにしましょう。
信託財産留保額を見る
最後のポイント、信託財産留保額についてみていきましょう。
購入時手数料は買う時にかかるコストで信託報酬は運用中にかかるコストでしたね。これは、ファンドの売却時にかかるコストになります。
信託財産留保額には金融庁による定めがないのでファンドによって金額はまちまちとなります。これもなるべく少ないもの、ベストは無料のものを選ぶのが良いですね。
積立(つみたて)NISAのファンドおすすめ銘柄5選
ではどんなファンドが良いのか、上に書いたポイントに従って5つファンドを選んでみました。
ニッセイ外国株式インデックスファンド
一つ目はニッセイ外国株式インデックスファンドです。
純資産総額(百万円)・・・¥204,565
購入時手数料・・・なし
信託報酬・・・0.10%
信託財産留保額・・・なし
※2020/11/7現在
信託会社はニッセイアセットマネジメントというところになります。
ファンドの内容としては日本を除く世界主要先進国の株式に投資するものになっています。
MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
二つ目はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
純資産総額(百万円)・・・¥190,061
購入時手数料・・・なし
信託報酬・・・0.10%
信託財産留保額・・・なし
※2020/11/7現在
信託会社は、三菱UFJ国際投信というところになります。
米国の主要な上場企業に投資するものになっています。
S&P500指数(配当込み、円換算ベース)に連動した投資成果を目指しています。
楽天・全米株式インデックス・ファンド
三つ目は楽天・全米株式インデックス・ファンドです。
純資産総額(百万円)・・・¥150,814
購入時手数料・・・なし
信託報酬・・・0.16%
信託財産留保額・・・なし
※2020/11/7現在
信託会社は、楽天投信投資顧問というところです。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース)に連動する投資成果を目指しています。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
四つ目はeMAXIS Slim 先進国株式インデックスです。
純資産総額(百万円)・・・¥134,077
購入時手数料・・・なし
信託報酬・・・0.10%
信託財産留保額・・・なし
※2020/11/7現在
信託会社は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と同様、三菱UFJ国際投信です。
主に日本を除く世界の主要先進国株式に投資を行っています。
MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース)をベンチマークとして連動した成果を狙って運用したものになっています。
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
5つ目はSBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドです。
純資産総額(百万円)・・・¥84,980
購入時手数料・・・なし
信託報酬・・・0.09%
信託財産留保額・・・なし
※2020/11/7現在
信託会社は、SBIアセットマネジメントというところです。
主にETF(上場投資信託証券)に投資しています。
米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(円換算ベース)に連動する投資成果を目指して運用しているものになります。
こうした情報は以下のサイトから簡単に調べることができます。
モーニングスター:http://nisa.morningstar.co.jp/fund_list.html
見るポイントさえ分かれば誰でも最適なファンドを納得して選ぶことができるので、ぜひ自身でも確認してみてください。
積立(つみたて)NISAの口座を開設する金融機関の選び方
金融機関を選ぶポイントを紹介したいと思います。
ファンドの選択肢が多い
金融機関の選択基準として取扱いファンドの多さは欠かせません。
なぜなら、せっかく良いファンドを選んでもその金融機関で扱っていなかったら意味がないからです。
金融機関によっては取扱っているファンドの中からさらに抜粋して3〜5つ程度しか紹介してくれないところもあります。
全く下調べしていない状態でたくさんのファンドを提示されても結局何が良いか分からないのでそうしてくれているのだと思いますが、選択肢は多い方が良いですよね。
たくさんの選択肢の中からポイントを押さえて自分の意思を持って選びましょう。
ポイントが貯まる
同じファンドを購入するとしても、できるだけお得に投資したいですよね。
最近はなんでもポイントがつきますが、積立(つみたて)NISAにもポイントが付く金融機関があります。
金融機関内で使用できるポイントだけでなく、Tポイントや楽天ポイントなどが付く金融機関もありますので要チェックですね。
また、投資で得たポイントをまた投資に回せる場合もあるのでかなりお得感があります。
積立(つみたて)NISA口座のおすすめ金融機関5選
上記のポイントを踏まえて、おすすめの金融機関5つを紹介したいと思います。
ちなみに以下で紹介する金融機関であれば、先に紹介した5つのファンドは全て選択可能ですので安心してください。
SBI証券
一つ目はSBI証券です。
店舗形態・・・店舗、ネット証券
取扱銘柄数・・・168本
最低積立金額・・・100円
ポイント還元・・・Tポイント
※2020/11/7現在
ネット証券には珍しく実店舗を持っています。どうしても口座開設やファンド選択を1人でやるのに自信がないという人には良いと言えます。
またTポイントが貯まることも魅力です。Tポイントは使える店舗も多いですし、SBI証券ではTポイントを投資に回すこともできます。
また、「NISA枠ギリギリ注文」というサービスがあります。どういうものかというと、非課税枠を上回るように1年間の積立額を設定しておくと、非課税枠ぴったりに調節してくれるというものです。
積立(つみたて)NISAでは非課税枠は年間40万円ですが、12ヶ月で割り切れないので若干不足分が出ることになります。自分で積立額が多い月を設定することもできるのですが、自分でやるのは面倒だという人にはうってつけのサービスです。
楽天証券
二つ目は楽天証券です。
店舗形態・・・ネット証券
取扱銘柄数・・・159本
最低積立金額・・・100円
ポイント還元・・・楽天ポイント
※2020/11/7現在
楽天証券には実店舗はなくネット証券のみです。
ここではその名の通り楽天ポイントが付与されます。付与された楽天ポイントを投資に利用することもできるのでお得ですね。
楽天クレジットカードで積立を決済することもできるので、普段から楽天カードでポイントをためている人には良いのではないでしょうか。
松井証券
三つ目は松井証券です。
店舗形態・・・ネット証券
取扱銘柄数・・・155本
最低積立金額・・・100円
ポイント還元・・・現金、松井証券ポイント
※2020/11/7現在
松井証券も実店舗のないネット証券のみとなります。
松井証券といえば、自転車を全力で漕いでいるのが印象的な株主優待名人の桐谷さんが使っていることでも有名な証券会社です。
松井証券ポイントが付与され投資に活用できます。また、現金として還元することもできます。
ただし、ポイントや現金が還元されるのは信託報酬0.3%以上のファンドが対象のため、先に紹介したファンドでは対象外となります。対象となるファンドを購入する場合には検討しても良いでしょう。
マネックス証券
四つ目はマネックス証券です。
店舗形態・・・ネット証券
取扱銘柄数・・・155本
最低積立金額・・・100円
ポイント還元・・・マネックスポイント
※2020/11/7現在
マネックス証券もネット証券のみです。
ここではマネックスポイントというポイントがためられます。マネックスポイントをためるとAmazonギフト券やJAL・ANAマイルと交換できるので使い道も多そうですね。
ポイント付与率は銘柄によって決まり、年率0.03%または0.08%となっています。銘柄によっては0%のものもあるので注意が必要です。
auカブコム証券
最後はauカブコム証券です。
店舗形態・・・ネット証券
取扱銘柄数・・・151本
最低積立金額・・・100円
ポイント還元・・・Pontaポイント
※2020/11/7現在
auカブコム証券もネット証券のみです。むしろSBI証券が珍しかったという状況ですね。
ここではPontaポイントがたまるので、たまったPontaポイントを投資の資金に充てることができます。
Pontaポイントはau PAYとの連携があるので、au PAYでためたポイントを投資資金にすることも可能です。
ここまでの内容ではファンドや金融機関の選び方を見てきました。まだ積立(つみたて)NISAを始めていないという人はこの内容を参考にして始めてみるのも良いかと思います。
これ以降は、既に始めている場合にどのように金融機関やファンドを変更すれば良いのかを紹介しようかと思います。
積立(つみたて)NISAのファンド変更のやり方
ファンド変更の方法について紹介しようと思います。
既存のファンドへの積立を止めて新規のファンドへ積立を始める
既存のファンドから新規ファンドに変更する場合、既存のファンドで積み立てていた金額のまま新規のファンドへ切り替える(=スイッチング)ことはできません。
ではどうすれば良いかというと、まず既存のファンドへの積立を停止し、それと同時に新規ファンドの積立を開始すればOKです。ファンドを変更するというよりは、積立先を変更するというイメージです。
既存のファンドは慌てて売却しない
既存のファンドを慌てて売却しないように注意しましょう。
売却すれば非課税枠が回復するわけではありませんし、そのまま保有しても20年間は運用して出た利益が非課税となります。
現状では損が出ているという場合もあるのでしっかり検討してから売却しましょう。
あくまでも絶対売却してはいけないということではなく、売却しても良いのかよく考えましょうということですね。
積立(つみたて)NISAの金融機関変更のやり方
次は金融機関を変更する場合について紹介したいと思います。
金融機関変更の手順
ファンドを変更しようとした際に現状の金融機関では購入できないファンドだったり、もっと自分にあった金融機関を見つけたりして金融機関を変更したい場合があると思います。そんな時にどうすれば良いか手順を説明したいと思います。
ステップ1
切り替え先の金融機関へ口座開設申し込みを行い、「非課税口座開設届出書」を入手する。同時に開設に必要となる書類(本人確認書類、マイナンバー通知書類など)も準備しておく。
ステップ2
既存の金融機関へ金融機関切り替えの連絡をして「金融商品取引業者等変更届出書」を入手する。
ステップ3
既存の金融機関へ「金融商品取引業者等変更届出書」を提出し、「非課税口座廃止通知書(または「勘定廃止通知書」)」を入手する。
ステップ4
切り替え先の金融機関へ「非課税口座開設届出書」、「非課税口座廃止通知書(または「勘定廃止通知書」)」と開設に必要となる書類(本人確認書類、マイナンバー通知書類など)を提出する。
これで無事変更することができました。
他の金融機関で積み立てていたファンドは引き継げない
購入するファンドは変更しないけれど金融機関を変更したいという場合があるかもしれません。
その場合、いくら購入するファンドが同じでも変更前の口座に積み立てていた分を新規の口座に引き継ぐことはできません。
今まで積み立てたファンドを売却するか課税口座で運用するか考える
先ほど、今まで使っていた金融機関から新規の金融機関へ今まで積み立ててきたファンドの処遇です。その時点で売却しても損にならないならばそれも良いと思います。
売却して他の投資の資金に回すこともできますね。変更前の金融機関でそのまま運用してもらうこともできます。
その場合は今までの非課税口座から課税口座に移ることになります。同じ課税口座での運用なら変更後の金融機関でも運用してもらえますので、ポイントなどのメリットを考えて決めましょう。
金融機関の変更は1年に一度
金融機関の変更は、1年に一度しかできません。その年に一度でも既存の金融機関で積み立てをしてしまっていた場合は、9月までに変更手続きを終えれば最短で10月から新規の金融機関で積立を開始できます。
10月以降の手続きになると、翌年からの新規金融機関での積み立てになります。
おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
この記事を読んだことで、積立(つみたて)NISAの金融機関もファンドも納得感を持って選択できるようになったのではないでしょうか。
ほんの少しのことを知っているかどうかで損をしたり得をしたりするのが資産運用や投資や税金だと思います。
丁寧に教えてくれない世界なので、損をする人が少しでも減るようにこれからも発信していきたいと思います。
それではまた。
コメント
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